<税制>
「我が国の税制はどうなっているの?」
今の我が国の現状をみると、東日本大震災の復興対策はもちろんですが、経済的低迷や貧困対策も、私たちの暮らしにとっては、とても大きな問題となっています。
それを考えたとき、今の我が国の税体系のあり方も検証してみる必要があります。
我が国の税制は、本来、累進課税でした。それは、体力のある者が公共の福祉に貢献するという考え方によるものです。
ですから、80年代半ばまでは、所得税の最高税率は70%、法人税も40%ほどでした。この税制こそが、世界も驚くほどの戦後の早期復興を可能にしました。それこそが、バブルとも言われた好景気を生み出しました。
ところが、80年代半ば以降、ことごとく所得税の最高税率は下げられ、今や実行税率はせいぜい15%ほどです。法人税も40%ほどから25%ほどに下げられました。大資本は、そこに数々の優遇税制があるので、こちらも実行税率は15%ほどです。年間所得が億単位の人の収入は、株式の所得が中心となります。その株式の所得には10%しか課税されません。そうなると、国の財政に大きな赤字が生じます。
そこで導入されたものが、大資本は1円も負担しない消費税です。庶民の税率は変わっていませんし、むしろ控除が廃止されるなどにより、まるまる増税となっています。消費税が導入されて以降およそ200兆円が徴収されています。そして、一方、法人税や所得税の最高税率の軽減による税収不足分はこれもおよそ200兆円です。
つまり、大資本や超高額所得者の懐に大金を握らせるために、庶民から税金を巻き上げたというのが、消費税導入の本来の目的です。それによって、大資本や超高額所得者の溜め込みは、100兆円から200兆円に倍加しました。
ですから、消費税の増税で庶民からお金をさらに巻き上げることは、大資本や超高額所得者の溜め込みをただ増やすだけに過ぎません。今でも一人あたり毎年10万円が巻き上げられているようなものです。今、庶民は、鵜飼の鵜にされています。
この消費税の導入によって、毎年、我が国の庶民の懐からおよそ10兆円が吸い取られています。それによって、我が国の経済は景気後退へと突き進み、不景気と貧困の元凶にもなっています。
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